第3の煎茶「香り緑茶」に夢を託して

「香り緑茶」との出会いは衝撃的でした。発酵茶が大好きで紅茶、烏龍茶を作ってきた私は緑茶なのにお花や果実のような甘い香りのする「香り緑茶」に瞬殺で恋をしてしまいました。静岡県農林技術茶業研究センターでは2007年より香り高い緑茶の開発に粛々と取組み2014年にプロジェクト化して静岡型発酵茶を誕生させました。そして蒸し製法で作る「香り緑茶」を集大成としてその製造方法を公開し現在普及を目指しています。私が所属している開拓茶農協では茶研センターにお願いし、いち早く「香り緑茶」の試作に取り組みました。

☆ 2017年 香り緑茶の試作(やぶきた)

 静岡県農林技術茶業研究センターの研究成果の公表とともにセンター内にある香り発揚ラインが一般公開され、普及を目的に希望者が自由に試作できるようになりました。早速「やぶきた」で香り緑茶第1号を作り、萎凋香が出にくい品種とされている「やぶきた」でしたが、皆が驚くものが出来上がりました。

☆ 2018年 香り緑茶のプロモーション商品「花ここち」を作りました。

 花ここちの原料として使った品種は「あさつゆ」「つゆひかり」でした。香り緑茶を皆様に知ってもらいたい。また実際飲んでもらってどのように感じるか、皆様の声を聴きたいという思いから、あちらこちらに出かけて行きました。茶研センターの試作機で、香り発揚したものを開拓茶農協で製造しました。特に女性の反応は良く、驚きの表情を見せ喜んでくれました。

☆ 2018年秋、開拓茶農協に香り発揚ラインが設置されました。

 国の委託事業で、新しい製造技術の開発と新商品開発を目的に「香り緑茶」の製造技術実証試験を開拓茶農協で受けることになりました。いよいよ自分たちの製茶場で「香り緑茶」を作れるようになり、ピカピカの最新鋭の機械に心が弾みました。冬が明けてこの機械で早く「香り緑茶」を揉んでみたいとワクワクしました。

☆ 2019年1番茶より香り発揚ライン稼働。開拓茶農協で香り緑茶製造を開始

香り揺青機・・・生葉に刺激を与え香り発揚を促す機会です。


香り揺青機は流動式となっており、生葉は2時間おきにコンテナから取り出され、揺青かくはんをされてコンテナに戻ります。


コンテナの中で生葉は低温送風により16℃に冷やされて保管されます。冷風を送り込むスポットエアコンが10台備わっております。



SAMURAI teafarm     牧之原山本園

牧之原台地伝統の「特蒸し茶」(深蒸しをさらに深く蒸した茶)、香りにこだわる「べにふうき和紅茶」、新製茶技術により特殊製造された「香り緑茶」を牧之原大茶園で作っています。明治2年、牧之原台地に入植した徳川幕臣であったご先祖様が台地に茶を植えてから、代々大切に茶園を守り育てています。

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